かつて日曜日の夜7：30から放送されていた｢世界名作劇場｣というアニメ枠の中でも、1979年に放送された｢赤毛のアン｣は、豪華なアニメーションの制作スタッフによって作り出されたまさに長く語り継がれる｢名作｣アニメでした。今回NHKが原作モンゴメリの日本語翻訳に尽力した村岡花子の生涯を描く朝ドラの放送に合わせて、BS3では今年このアニメーション全話を放送中です。
そしてこのアニメーションの音楽がまた超一流の凄い作曲家による名作でした。
OPとEDの主題歌を桐朋学園大学学長であった三善晃が作曲していて、アニメのための音楽としては破格のクオリティー！と絶賛の言葉がネットサイトやブログであちこち見かけることができます。濃密でありながら軽やかな音楽。繊細な和声と色彩的なオーケストレーション。
かつて1982年に全音から出版されていた｢ピアノ曲集《赤毛のアン》｣が、大変久しぶりに再版され現在好評発売中です。
ところでこの曲集に収められているピアノ編曲は主題歌と挿入歌を作曲した三善晃本人と、三善に代わって本編中のBGM（と一部の挿入歌）を作曲した毛利蔵人本人によるものです。
とくに三善本人による「きこえるかしら」と｢さめない夢｣のピアノ編曲は、楽譜の見た目では大変シンプルに感じられるものでありながら、原曲のイメージがそのまま凝縮されているかのようなとんでもなく凄いアレンジとなっています。興味を持たれた方、また《赤毛のアン》の音楽がもとよりお好きな方は、ぜひご自身でこの楽譜（ピアノ曲集）を手に取ってご覧下さい。そして実際に演奏してみられることをオススメします。
（初版時の表紙です。現在発売中の楽譜も同じデザインですが、ほんのちょっと違っているところがあります。さてそれはどこでしょうか･･･）