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ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番

先般発表された『レコ芸』レコード・アカデミー2011で、フォンテックのCDジュリアン・ユーの『青少年のための作曲法入門』(楽譜は全音で発売)が現代曲部門で受賞したのは耳に新しいが、その協奏曲部門で受賞したのが女性ヴァイオリニスト、リサ・バティアシュヴィリが独奏するショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番の演奏が収められたドイツ・グラモフォンの『時の谺』(Echos of Time)と題するCDアルバムだった。

ここではショスタコーヴィチの件の協奏曲の他に、ピアノ曲集『人形の踊り』の中の『叙情的なワルツ』をヴァイオリンとオーケストラに編曲したもの、またかつてソヴィエト連邦の構成国であったグルジアの作曲家カンチェリやペルトによる作品、そしてトリはラフマニノフの有名な『ヴォカリーズ』をエレーヌ・グリモーのピアノ伴奏で収めていた。こういった一見混沌とした選曲を見事に一枚のアルバムにまとめている点でもアカデミー賞の評価となった。

その話題が冷めぬ中この2月、日本の若いヴァイオリニスト庄司紗矢香が同じショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏した新譜が登場した(「協奏曲第2番」も収録されている)。

このコンチェルトは、独奏者が続けざまにあらわれる激しく狂おいしいパッセージを演奏する難曲で、近年では日本でもコンクールをはじめとして広く演奏するようになってきたが、日本人が演奏する傾向として客観的で冷めた丁寧な演奏することが少なくない中、庄司紗矢香は作品の本質に迫るなかなかの熱演をしており、これは今年の注目盤の一つとなるかもしれない。

ところで共演しているのはドミトリー・リス指揮ウラル・フィル。「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」に出演して知名度を上げてきたこのオーケストラ、今年のテーマは「ロシア」ということで、今年はこのCDに何か関連あるものを持って日本にやって来るのかもしれない??

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